展覧会の絵
2004-07-02



ユーロ準決勝は延長前半の終了直前にギリシャがコーナーキックからゴールに繋げて決勝進出。できればチェコに勝って欲しいと思っていたのだが、ここまで守って守ってチャンスをものにしたギリシャの頑張りに拍手といった気分だ。次はいよいよ日曜深夜の決勝戦、奇しくも開幕第一戦と同じポルトガル×ギリシャの試合だ。今度こそポルトガル頑張れー。


今週末で会期終了の「オランダ・フランドル絵画展」[LINK]を観に久し振りに上野の都美術館に行ってきた。今回の展覧会はウィーン美術史美術館[LINK]の所蔵品の一部、16世紀のネーデルラント絵画と17世紀のフランドル及びオランダ絵画の展示。この時代の絵はもっと以前からあった神話や聖書を題材にしたものと並んで、寓意を取り入れたものや当時の庶民の生活を描いたものも多くて面白い。大まかなところは絵の横のプレートに説明されているのだが、画面の隅っこの方にいる妙に丁寧に描かれた謎の動物とか変に表情豊かなおじさんとかも気になる。宮廷の描写でも庶民の日常生活の場面でも大抵人の傍に犬がいるのも当時の生活が垣間見えて面白い。これが寓話とか伝説風の絵になると猿もいたりするが、複数の画家がずいぶん熱心に猿を描いているのは流行か何かだったのだろうか。しかし不思議なのは、一見当時の生活振りや情景を描いたものなのになぜか横の方に裸の人達がいたりする絵ががあることだ。神話や何かならともかく(それでも「通りかかった誰某に寝姿を見られてトラブルに」とかいう話はそもそも屋外で素っ裸で寝たりするからだ、と思うが)、馬の水飼い場を歩くドレスを着込んだ婦人とその連れの男性から少し離れた場所になぜかどう見ても裸の人達の後ろ姿が(水浴び中?)描かれていたりするのは一体何の意味があるのだろう。あのご婦人が知らずに近付いてきたら凄いことになりそうだ。

ブリューゲル父子やファン・ダイク、ルーベンス、レンブラントなどの著名な画家の作品も数点ずつあったが、何と言ってもこの展示の目玉はこの数年日本でもごんごん人気が高まってきているヨハネス・フェルメールの絵だ。実際今回の展覧会の彼の作品は「画家のアトリエ」一点のみだが、展示の最後の最後に特別スペースを取って細かい説明のためのパネルを幾つも配し「さあクライマックスです」という感じの特別扱いである。まあ数年前に「恋文」が来た時は展覧会の題名からして「フェルメールとその時代展」(やはりフェルメールは一点だけ)とか何とかで「アトリエ」よりもずっと小さい絵をえらく大げさに飾ってあったので、あれよりはいいだろうか。絵の絵画としての価値は号数の大きさとは関係ないし、フェルメールの現存する絵は点数が少なく所蔵美術館もあちこちにばらけていたりして一点でも来日するのは貴重な機会なのかも知れないが、あまりに大仰な扱いをされるとかえって興醒めしてしまうというのはある。


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